Columnコラム


バイリンガル教育は日本でも可能?バイリンガル教育で失敗しないために

公開日:2022/05/02
更新日:2022/05/02

英語は、さまざまな場面で共通語として使用されるケースが多く、英語教育の必要性が唱えられています。しかし、日本の場合は地理的な面から見て英語圏から遠いうえに、言語学的に見ても日本語は英語と類似していません。このような観点から、日本でバイリンガル教育を行うのは難しいといわれています。そこで、この記事では実際に成功させることは可能なのかどうかを解説していきます。

1.バイリンガル教育とは?

2つの言語を使い分けることができる人をバイリンガルといいます。つまり、バイリンガル教育とはバイリンガルを育成するための教育のことです。または、バイリンガルの子どもに向けた教育のことを指している場合もあります。バイリンガルを育成する教育は一つではありません。海外では、何種類ものバイリンガル教育の方法が採用され、実践されています。中でも有名なのはカナダで実践されている方法で、2つの言語がそれぞれ堪能になることを目的とした「イマージョン方式」です。

カナダの主要な言語は英語ですが、英語の他にフランス語も公用語として使われています。実際にフランス語を使用する人は少数とはいえ、お互いが理解し合って共存するために国の政策としてイマージョン方式が用いられているのです。イマージョン方式は、学校の教科別に2つの言語を使い分けるというもので、それによって2言語をそれぞれ同じように習得させています。

イマージョン方式は、例えば日本で行われている英語の授業のように言語を一つの教科として学習対象にするのではありません。日本に置き換えると、社会や理科といった授業を英語で勉強するといったイメージです。現在の日本において、イマージョン方式をそのまま取り入れることは少ないでしょう。日本でバイリンガル教育を実施するには、他の道を探る必要が出てきます。

2.よくあるバイリンガル教育の例とは?

日本人にもバイリンガルは存在します。では、日本人としてバイリンガル教育を受けてバイリンガルになった一般的な事例を紹介していきます。

2-1.両親が別々の言語を話す

日本でよく見られるのは、両親のうちどちらかが外国人であるというケースです。本人は日本人と外国人とのハーフであり、かつ日本国籍を持っている場合は、家庭内で2つ以上の言語を話す環境になりやすいといえます。結果として、日本で暮らしながらバイリンガルに育つ可能性は高くなります。両親のどちらかが外国人であれば、祖父母や親族、その友人たちも外国語を話すため、子どもの頃から第二言語としてコミュニケーションをとる機会は増えるでしょう。

ただし、自然に覚えていく言葉は増えても、ネイティブのようなバイリンガルにするには親子ともども相応の努力は必要です。例えば、母親が日本語で父親が英語を話す家庭の場合、母親と子どもが日本語で話をしていると父親が疎外感を持つこともあります。それでも、バイリンガル教育を成功させるには、親はそれぞれの母国語を徹底して話す方が効果を得やすいでしょう。しかし、子どもの考え方次第では必ずしもうまくいくとは言い切れません。思春期を迎えてアイデンティティが確立してくると、中には「自分は日本人である」という意識が強くなる子どももいます。そうなると、第二言語への興味が薄れてしまうこともあります。

2-2.海外赴任などで現地校に通わせる

両親ともに日本人でも、親の仕事の関係などの事情で幼少期の頃から長い期間海外で暮らしている子どもの場合、バイリンガルに育つというケースがあります。帰国子女といっても、第二言語の習得は子どもや環境によって異なります。中にはネイティブに匹敵するほど第二言語を習得できる子どももいれば、リスニングが他の日本人より多少できるという程度にとどまるなどさまざまです。

バイリンガルとして成長できた子どもは、現地の学校やインターナショナルスクールに通っていたケースが多いといえます。ただし、その場合は注意しておきたいこともあります。それは、帰国した際に苦労しないよう、母国語の日本語教育についてもしっかり行うことです。日本語の場合、特に漢字の読み書きが難しいため、日本で教育を受けてきた子どもたちと同等のレベルに達していなければなりません。そうでないと、学業はもちろん、将来仕事の面でも苦労することになるでしょう。

また、帰国後は第二言語のレベルを維持することも重要です。日本で生活をしていくと、第二言語を使う機会は圧倒的に少なくなります。そうなれば、せっかくのバイリンガルの能力が落ちてしまいます。

3.特殊な環境になくてもバイリンガル教育をする方法は?

日本にいるバイリンガルの多くは、ハーフまたは帰国子女といった特殊な環境で育った人たちです。では、このような特殊な環境にない日本人の子どもの場合、バイリンガル教育を行う方法はあるのかどうか解説していきます。

3-1.バイリンガルになるには幼児教育が必要?

英語の早期教育を行うのは、一定の効果があることがわかっています。赤ちゃんは、生後6カ月頃までは英語や日本語といった言語の区別はありません。さまざまな音声を同じように聞く能力を持っています。ところが、両親など周囲の人が話す言葉を聞いていくうちに次第に母国語を理解していくようになります。そのため、英語耳は生後6カ月頃から作られ、年齢を重ねるごとに身につけていくのは難しくなるのです。

言語学的に英語とは遠い日本語を話す者にとって、英語を本当に理解するのは難しいといえるでしょう。たとえ、努力して英語を勉強し、後天的に理解できるようになったとしても、英語を英語のままで理解するには時間がかかります。日本人がバイリンガルになるには、たくさんの時間が必要です。ただし、早い段階から英語に触れる環境に置かれることで解決できる可能性はあります。

また、大人になってからでも本人の努力次第ではバイリンガルと同等の能力を身につけることも不可能ではありません。つまり、必ずしも幼児教育が必要であるとはいえないということです。しかし、子どもを将来的にバイリンガルに育てたいなら、幼児教育の段階で英語の感覚をしっかり養ってあげることは有利といえるでしょう。

3-2.日本でバイリンガル教育をする問題点と対策

日本で暮らしながら、子どもにバイリンガル教育を行うことは不可能ではありません。しかし、そのためには乗り越えなければならないいくつかの壁があります。では、バイリンガル教育をするうえで注意しておきたい問題点とその対策について説明していきます。

3-2-1.第二言語を使う機会を持ちにくい

問題の一つにあげられるのが、第二言語を使う機会が少ないという点です。たとえ親のどちらかが流暢な英語を話せるとしても、他に英語話者がいない環境であればバイリンガルといえるようなレベルに育たない可能性は高いでしょう。日本で暮らしていると、日常生活の中で英語を話す機会はほとんどありません。それは他の外国語についても同じです。外国語を話すシーンが少なく、積極的に話したくても周囲にその相手がいないことが多いといえます。

この問題を解決するには、意識的に第二言語を使う機会を増やしていく必要があります。親が英語教育を行うのは限界があるため、自分で学習できるような環境を用意した方がいいでしょう。幼児向けに作られた英語の本や知育玩具、または英語の歌やアニメといったメディアを活用するのもよい手段です。または、幼児から小学校低学年を対象とした英語教育を実施している機関に任せるという方法をとることもできます。もちろん、読んだり聞いたりするだけで終わってはいけません。インプットした後は、話したり書いたりするアウトプットの場を作ってあげることが鍵です。できるだけ他の英語話者とのコミュニケーションが持てる環境を用意してあげましょう。

3-2-2.母国語の習得がおろそかになる

バイリンガル教育に対しては、あまり好意的な目で見られていない時期もありました。なぜなら、バイリンガル教育を行うことで母国語のレベルの低下を懸念する声が出ていたためです。バイリンガル教育は子どもが混乱してしまい、母国語の言語発達に悪影響を及ぼすという考えが持たれがちでした。しかし、長い間専門家が研究を続けてきた結果、そのような事実はないことがわかっています。バイリンガル教育は決して母国語の習得をおろそかにするという心配はありません。

むしろ、複数の言語を習得することはメリットがあるといっていいでしょう。大切なのは、まず母国語である日本語をきちんと身につけてあげることです。あくまで思考の軸となるのは日本語とし、英語との違いを子どもが認識していく必要があります。つまり、母国語は日本語であることをしっかり認識させることがまず大切だということになります。そのうえで、バイリンガルを目指していく方が無難です。

また、何がなんでもバイリンガルに育てようと固執するのは、子どもにとってよいことではありません。押しつけになってしまえば子どもの負担になり、逆効果になります。それよりも、英語耳を獲得できるだけにしようと割り切ることも必要です。

4.バイリンガル教育の失敗とは?

バイリンガル教育は、成功に導くことができれば子どもの将来にとっても大きな助けになるでしょう。しかし、その一方でうまくいかない場合は勉強や社会生活にまで不都合な状況が生じる可能性も出てきます。では、バイリンガル教育が失敗するのはどのようなケースなのか紹介していきます。

4-1.2言語を混ぜて教えることのリスク

バイリンガル教育の失敗を避けるには、子どもに話しかける際、1人1言語にするのが原則です。例えば、父親が英語を話すなら母親は日本語で語りかけるようにするといいでしょう。あるいは、両親ではなく外国語を母国語とする人からレッスンを受けるという形でもかまいません。その方が正しい言語を覚えやすくなりますし、1人の人が日本語と英語を混ぜて話すことで子どもが混乱する恐れが懸念されるためです。

では、片方の親が日常的に複数の言語で会話を続けた場合どのようになるのでしょうか。例えば日本語と英語を混ぜて会話している場合は「今日はparkで友だちとplayed soccer」といった使い方や「I want to ご飯食べたい」といった使い方をする可能性もあります。つまり、1文の中に2言語を混ぜ合わせて会話することが考えられ、正しい日本語や英語の使い分けが難しくなるかもしれません。このような使い方が常態化してしまうと、他の人との会話がスムーズにいかなくなります。

1人の人が1言語を使うのは、アニメを見せるときや絵本の読み聞かせをするときも注意したい点です。例えば、同じキャラクターには1言語で対応させるといった工夫をした方がいいでしょう。アニメや絵本に登場するキャラクターも、小さな子どもにとっては自分に語りかけてくれる人に変わりはありません。実在する人と同じように考えて対応するのが無難です。

4-2.両方の言語習得が不十分になっては意味がない

もう一つの失敗として考えられるのは、両方の言語習得が不十分になってしまうことです。バイリンガル教育はメリットは多いといっても、焦った結果としていずれの言語も中途半端なものになっては意味がありません。特に、日本人にとって母国語となる日本語はしっかり習熟させておく必要があります。会話はもちろん、読み書きにおいてもきちんと学ばせておかなければ第二言語の語学力も頭打ちになってしまうでしょう。

思考力は、母国語をどれくらい習熟しているかに依存しており、語学だけでなく他の教科を学習するうえでも影響が出てきます。そのため、日本語が不十分では、学力全体によい影響を与えない可能性があります。たとえ英語も日本語も流暢に話せたとしても、語彙力が乏しいなど難しい内容の理解が苦手にならないよう注意が必要です。

また、バイリンガル教育には動機づけも考えなければなりません。単に親の希望だけで2カ国後を話すことを押しつけないことです。できるだけ、子ども自身に意味のあるものにすることが望ましいといえます。学ぶうえでもっとも大切なことは、子ども自身が興味を持つことです。自分から興味を持ち、楽しいと感じながら習得しなければ十分な効果を得ることは難しくなります。もしかしたら、無理に押しつけることで逆に英語が嫌いになる可能性もあるでしょう。

このような失敗を避け、日本でバイリンガル教育を行うなら専門の機関に任せた方が無難です。親がさまざまな方法を熱心に調べるといっても限界があります。ついつい、子どもにとってよくない方法を押しつけるかもしれません。それなら、長年バイリンガル教育に携わり、豊富な経験と実績を持つ機関の方がずっと安心できます。

 

バイリンガル教育は実績のある教育機関で!

バイリンガル教育は子どもにとってメリットが多い反面、失敗するリスクもあります。幼少期から英語教育を並行するなら母国語である日本語をおろそかにしないよう、実績豊かな教育機関に委ねる方が無難です。「Kids Duo International」は、英語教育とともに知能育成や運動指導まで幅広い幼児教育を実現しています。日本語教育と英語教育をバランスよく取り入れているため、バイリンガル教育を検討しているならぜひ入園説明会に参加してみましょう。

早期英語教育には、英語力を身につける以外にもさまざまなメリットが存在します。異文化理解を深め、自信をもって英語でコミュニケーションをとれるようになるために、幼少期から英語に触れさせていきたいものです。

学習法は、習い事や教材を利用するほか、英語のCD・DVDを流すなどさまざまな選択肢が存在します。ただ、一定以上の英語量に触れさせ、英語を話す環境下に身を置くとなると、「インターナショナル幼稚園」や「プリスクール」が最適かもしれません。

早期英語教育を中心とした独自のカリキュラムを採用しているのが、バイリンガル幼児園「Kids Duo International」。卒園までの4年間で約3,000時間を英語で過ごすため、英語教育に関心の高い保護者の方から注目を集めています。
40年間にわたって培われた教育カリキュラムでは、語学以外の面にも注力。バイリンガル講師とのコミュニケーションや知能教育のほか、クラスメイトとの遊びを通して英語圏と日本の文化に触れられるなど、日本語と英語をバランスよく学ぶことも大切にしています。

執筆者:バイリンガル幼児園Kids Duo International コラム編集部

※説明会は園舎ではない場所で実施される場合があります。

w